賃貸への引越し前に知っておきたい原状回復のルール



消費生活センターに寄せられる賃貸住宅に関するトラブルは、毎年3~4万件にも上りますが、そのうちの3~4割が「敷金と原状回復トラブル」だといいます。

今回は、これから賃貸に入居するなら知っておきたい、原状回復の自己負担に関するルールについて紹介していきたいと思います。

原状回復のルールとは?

入居時に支払う「敷金」は、入居者が入居中に室内を汚したり損傷させたりした際に、退居時に部屋を原状回復させるための費用として、大家さんが入居者から預かるお金です。

退居時に室内をチェックした上で、室内を修繕し原状回復させる箇所のうち、入居者の負担となる部分の費用は、敷金から差し引かれます。

かつてから、この退去時の敷金返還をめぐるトラブルが非常に多いことから、国土交通省は1998年に「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を公表しています。
2020年には原状回復にまつわる民法によって、より明確化されるようになり、「入居者側の落ち度がない部分の修復については、原状回復義務を負う必要はない」と定められました。

つまり、原状回復において入居者の自己負担となるかどうかの焦点は、「入居者側に落ち度があるかどうか」というのがポイントとなっています。

原状回復で自己負担となる範囲

では、入居者側の落ち度と判断されるのは、どのようなケースなのか、自己負担となった事例を紹介します。

・掃除を怠ったためにシミやカビが拡大した床・畳や壁
・キャスター付きの椅子で傷つけたり凹ませたりした床
・結露の放置のためにシミやカビが拡大した壁
・窓を開けたまま雨が降り込み傷んだ床や壁
・落書きした床や壁
・ペットによる引っかき傷や汚れた床や壁、ドア
・画鋲やピンではなく、クギやネジを使って穴が出来た壁
・喫煙によって変色・臭いが着いた壁
・お手入れ不足によってひどい油汚れが着いたキッチン周りの床や壁
・お手入れ不足によってカビや水垢が広がった浴室やトイレの壁



入居者の落ち度と判断されないよう、普段の掃除は怠らないことが大切です。
また、窓の開けっぱなしや結露、ペットや喫煙などによる汚れや傷みにも注意が必要です。

また、内見時などの入居前に、既存の傷やシミがないかどうかをしっかりと確認しておくことも大切です。もし発見したら写真で記録し不動産会社へ伝えておくようにしましょう。