ガス料金に差が出るって本当? 「プロパンガス」と「都市ガス」の違い



一般家庭で使うガスには、大きく分けてプロパンガスと都市ガスの2種類があります。どちらもガスコンロや給湯などで使うためのガスなので性質はほとんど同じものと考える方も少なくないのですが、この2つにはさまざまな違いがあるのです。
賃貸物件を借りるときには、プロパンガスか都市ガスかをきちんとチェックしておきたいですね。今回は、2つのガスの違いや、物件選びのポイントについてご紹介します。

プロパンガスとはどういったもの?

プロパンガスというのは、ブタンやプロパンを主成分とする液体石油ガスのことです。プロパンガスは、専用の大きなボンベに入れられた状態で各家庭に供給されます。マイナス42度で冷やすと体積が250分の1の液体になるのがプロパンガスの特徴。その特性を利用すれば、各家庭にボンベを置くだけで数カ月はガスを使い続けられるのです。
ただしこのボンベは一定期間ごとに交換する必要があるため、プロパンガスには交換や配達のための料金がかかります。

都市ガスとはどういったもの?

都市ガスの主成分はメタンで、主原料は天然ガスです。都市ガスは町なかの地中に埋められたガス管を通じて各家庭に供給されています。都市ガスの原料となる天然ガスは、海外からの輸入によってまかなっています。
住宅が密集している都市部はガス管が通っていることがほとんどなので、都市ガスの賃貸物件も自然と多くなるものです。逆に、住宅が密集していない地方では都市ガスを利用できないため、プロパンガスを利用するケースがほとんどです。

プロパンガスの物件を選ぶメリット

都市ガスよりも熱量が多いのがプロパンガスの魅力です。料理をするときにも都市ガスより火力が出やすいので、頻繁に自炊をする人や料理にこだわりたい人にとってプロパンガスはありがたい存在といえるでしょう。
災害時に復旧しやすいというのもプロパンガスの良さといえます。都市ガスと違ってボンベでの供給なので、災害時でもすぐに使用を再開できるのです。

都市ガスの物件を選ぶメリット

都市ガスを選ぶメリットはなんといっても、ガス代が安くなるという点にあります。たとえば東京23区の場合、1立方メートルあたりの料金は都市ガスが314円、プロパンガスは504円となります。基本料金も都市ガスのほうが安いため、使用の仕方によっては月額で数千円の差が出ることもあるのです。
プロパンガスは、業者によってはボンベの交換費用や保証金がかかることもあるので、都市ガスのほうが圧倒的にお得ということになります。



プロパンガスと都市ガスは、素材や性質などが大きく異なります。また、都市ガスがガス管で供給されるのに対し、プロパンガスの使用にはボンベが必要という違いもあります。月々のガス代も、プロパンガスと都市ガスではかなり違うので十分気をつけたいもの。
賃貸物件を選ぶときには、物件のガスがどのように供給されるのかを必ずチェックしておきたいですね。