| Google、Appleがモバイル・ペイメントを制する日 | 2011/09/07 |
ところが、携帯電話事業者がNFC搭載の携帯電話機を使ったモバイル・ペイメントの支配者であるという状況に、早くも陰りが見え始めている。そのきっかけはスマートフォンの普及にある。最終回となる今回は、今後のモバイル・ペイメントの姿を展望する。
2007年に米Apple社がiPhoneを発売すると、優れたユーザー・インタフェース、端末の質感、搭載されるアプリケーション・ソフトウエアの斬新さなどが消費者に受け一気に普及した。これに対抗すべく米Google社 が同年にAndroidを発表し、2008年以降、台湾HTC社を皮切りに、米Motorola Mobility社、韓国Samsung Electronics社などから、続々とAndroidを搭載したスマートフォンが市場に投入された。現在、先進国においてフィーチャーフォン(音声通話やSMSを中心とした携帯電話機)からスマートフォンへのシフトが雪崩を打って進んでいるのは、ご存じの通りだ。
フィーチャーフォンでは、通話をするにせよ、SMSを送るにせよ電話番号が必要なので、携帯電話事業者がそのサービスの中心にいる。ところが、スマートフォンの場合は、音声通話やSMSは数あるサービスの一つでしかない。重要なのはアプリケーション・ソフトウエア(以下、アプリ)の実行環境や、そのアプリやコンテンツを配信するためのマーケット・プレイス、利用者に密着したクラウド・サービスである。これらを持つのはApple社やGoogle社であり、携帯電話事業者ではない。つまり、携帯電話機の仕様を決定できる権限を持つのはApple社とGoogle社なのである。
スマートフォン全盛時代のモバイル・ペイメントとNFC
では、Apple社とGoogle社が携帯電話機の仕様を決定できる状況において、モバイル・ペイメントはどうなるだろうか。これまでNFC搭載携帯電話機を使ったモバイル・ペイメントは、Visa社の「payWave」やMastarCard社の「PayPass」を実現するアプリをSIMカード上に搭載する方式が考えられてきた。payWaveとPayPassのアプリは携帯電話事業者または、またはその代行者によってSIMカード上に書き込まれる。
このような仕組みになっているのは、新しい携帯電話機にSIMを差し替えるだけで「移行」が完了するほうが利用者に親切だからである。このことは、携帯電話事業者にとっても都合がいい。SIMカードは携帯電話事業者が管理できる場所であり、ここにペイメント関連の情報を格納できれば、携帯電話事業者の支配力が高まることになるからである。もちろん、端末仕様の決定権を握るApple社とGoogle社がこの状況を許すわけがない。
引用元URL: http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20110905/368129/?ST=network
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