| 2,400万ドルのソフトウェアへの投資を発表 | 2011/09/10 |
Intelは来週9月13日~15日(現地時間)に、Intel Developer Forum(IDF)を開催し、同社のロードマップやテクノロジーに関するさまざまな発表を行なう予定になっている。それに先だって、Intelはサンフランシスコ市内のホテルで記者説明会を開催し、同社のソフトウェア戦略に関するアップデートを行なった。
この中でIntelは、同社の投資部門であるIntel CapitalがIA(Intel Architecture、いわゆるx86)向けのソフトウェアのエコシステムを開発する企業などに、総額で2,400万ドルもの投資を行なうことを明らかにした。
●よりよいユーザー体験を実現するためには、ハードとソフトの両輪が必要Intelのソフトウェア開発部門であるSSG(Software Service Group)ことソフトウェアサービス事業本部でシステムソフトウェア事業部 事業部長兼副社長であるダグラス・フィッシャー氏は、記者会見の冒頭でIntelのソフトウェア開発のビジョンについて説明した。
フィッシャー氏は「短期的にはソフトウェアが世界を飲み込む」というNetscape創業者マーク・アンドリーセン氏の言葉を紹介し、「ソフトウェアの企業は世界の形を変えようとしている」とソフトウェアこそがIT革命を牽引していると説明した。フィッシャー氏は「ハードウェアプラットフォームが成功するのにソフトウェアの存在は欠かせない。Intelは今後もソフトウェアへの投資を積極的に続けていくことで、IAプラットフォームにおけるユーザー体験をより改善していきたい」と述べ、IntelがIA(x86)プロセッサに対応したソフトウェアの開発を助長するような取り組みを今後も行なっていくと説明した。
そうしたソフトウェア開発への積極的な取り組みを示す具体例として、今後もオープンソースコミュニティとの積極的な連携を続けていくこと、さらにはIntel Software Platform ProgramやIntel Software Networkなどの開発者向けのさまざまなプログラムを継続していくと説明した。
●エコシステム拡充のために2,400万ドルを投資
Intelの投資部門であるIntel Capitalは、Intelの事業戦略に沿ったベンチャー企業に投資することで、最終的には株式市場への上場を目指し、Intelの事業へのシナジー効果と投資の回収という両方の効果を狙っている。これまでに1,140以上の企業に100億ドルを超える投資を行ない、191もの企業がすでに株式市場への上場を果たしているなどの実績を残しているという。
Intel Capital マネージングダイレクター リサ・ランバート氏は「Intel Capitalは2,400万ドルの投資を、ソフトウェアのエコシステムを拡大していくために行なう。それらの新しい投資先が開発するソフトウェアがIAプラットフォームの魅力を高めることになるだろう」と述べた。
その具体例としてKalturaとSwrve New Mediaという2つのベンチャー企業を紹介した。Kalturaはコンテンツ配信を行なう企業に対して、サーバー上のソフトウェアからユーザーが利用するクライアントソフトウェアまでを一括して提供するソフトウェアベンダで、コンテンツホルダーはこれを利用することで従来よりも短期間でコンテンツをセキュアにデジタル配信することが可能になる。
Swrve New Mediaは、物理演算エンジンを開発する企業であるHavok(2007年にIntelに買収された)の創業者が始めたベンチャー企業で、ゲーム開発会社とゲームプレイヤーの間を取り持ち、ベータテストに参加したような熱心なプレイヤーが開発中のゲームに参加できるようにするなどの機能を提供していくという。
●Parallel Studio XE 2011 SP1でメニーコアへの最適化が可能に
Intel ソフトウェア担当エバンジェリストのジェームス・レインダース氏は、Intelが同日に発表したソフトウェア開発ツール"Intel Parallel Studio XE 2011 SP1"に関する説明を行なった。Intelの開発ツールは、MicrosoftのVisual Studioと双璧をなすツールとしてソフトウェア開発者の人気を集めており、そのバージョンアップは開発者にとっては要注目のニュースと言えるだろう。
Intel Parallel Studio XE 2011は、Intelが販売している開発ツールで、C/C++およびFortranを開発言語として利用して、マルチスレッドに最適化したソフトウェアの開発を容易に行なうことが可能になる。今回発表されたIntel Parallel Studio XE 2011 SP1は、2010年に発売された同ソフトウェアのアップデートバージョンとなり、新しいコンパイラにより、従来よりもソフトウェアの実行速度が向上しているのが特徴だという。
レインダース氏によれば「新しいコンパイラにより、クアッドコアなどのPC向けプロセッサから、MICのような多数のコアを持つメニーコアで動作するソフトウェアにまでスケーラブルに最適化することができる」という。さらに、Intel Threading Building Block 4.0、ならびにIntel Clik Plus 1.1などの付属ソフトウェアを利用することで、HPC向けのアプリケーションをより最適化していくことが容易になると説明した。
なお、価格は従来と同じく、C/C++とFortranの両方をサポートしたフルバージョンはLinux版が2,249ドル、Windows版が1,899ドルなどに設定されている。
このほか、Microsoft Windows部門製品担当部長のステファン・キンネストランド氏と、Intel側のMicrosoft担当であるIntel マイクロソフト渉外担当マーケティング部長 ナディア・スティーリー氏が壇上によれば、IntelとMicrosoftの関係がいかに良好であるかについてトークショーを行なった。
その内容そのものはこれまでの両社の関係を振り返るもので、両社が協力してWindows 8の開発を行なっているという内容だったのだが、見物は質疑応答だった。ある記者が「両社の関係が良好だと言うが、それならなぜIDFとBuildは同じスケジュールで行なわれるのか? 」という、おそらく2人にとっては今最も聞かれたくない質問をしたからだ。
Intelは来週の火曜日からIDFをサンフランシスコで開催するのだが、まったく同じスケジュールでMicrosoftはロサンゼルス近郊のアナハイムにおいてBuildと呼ばれるWindows 8を解説するイベントを開催するからだ。つまり、両方に出たい、特にIntel製品を開発しているOEMメーカーにとっては、どちらかしかいけないという状況になっており、そんな状態で両社の関係は良好と言われても"絵に描いた餅"にしか聞こえないからだ。
Microsoftのキンネストランド氏はその質問に一瞬詰まって苦笑したあと「この件に関しても両者は密接にやりとりをしている。アナハイムのイベントにIntelの関係者も参加してくれるし、逆にMicrosoftの関係者もIntelプラットフォームにおけるWindows 8の実装についてIDFで説明する予定だ」と述べ、しっかりと両社の連絡は取れているので、問題は無いという認識を明らかにした。
引用元URL: http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/20110909_476447.html
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