| 実は、昨年発表された第14次レポートでも、 | 2011/08/05 |
実は、昨年発表された第14次レポートでも、競争環境の判断は先送りされている。それまでの同レポートでは「米国の携帯業界は健全な競争環境にある」との結論を述べていた。それに比べると、2年連続の結論先送りは「FCCがトップ2社による寡占を暗に認めている」と業界関係者は理解している。
■「ある程度」の寡占を認め次世代網整備を優先
同レポートで結論を避けたことは、次世代のモバイル・ブロードバンド整備を進めるため、米国政府がトップ2社による寡占を「ある程度認めている」といえる。こうした寡占を認めて次世代ネットワーク投資を促進する政策は、日本にとっても重要な判断材料となるだろう。
FCCのゲナコウスキー委員長(右)。FCCは次世代携帯通信網の整備を促進している=ロイター
日本でもLTE整備について各社の駆け引きが繰り広げられている。10年12月にXi(クロッシー)の名称でNTTドコモがLTEネットワークの整備を開始した。しかし、その整備速度は米国のベライゾンなどに比べるとゆっくりとしたペースだ。競合他社も追従の構えを示している。
しかし、NTTも含め、携帯各社は次世代モバイル・サービス用の周波数が足りず、頭を悩ませている。このように、米国のベライゾンやAT&T、スプリントの状況は、日本におけるNTTドコモやKDDI、ソフトバンクの状況に似ている。
米国流に「ある程度寡占を認めて、次世代モバイル・サービスの整備を優先させるか」あるいは「寡占を嫌って整備スピードを遅くするか」は、日本の携帯業界にとっても、政府にとっても難しい判断だ。もし後者になれば、国際ブロードバンド整備競争で日本は米国に遅れるだろう。それは企業のブロードバンド技術開発に停滞を生むだけでなく、市民もモバイルが繋がりにくいなどの不便にさらされる。一方、寡占を認めれば、経営不振に陥る携帯事業者が生まれることになるだろう。
日本のモバイル・ブロードバンド整備も、米国同様、難しい岐路に立っている。
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