| “iPhone人気”はまだ健在? 携帯会社の争奪戦続く | 2011/06/30 |
米国は毎年初夏を迎えると、米アップルのスマートフォン「iPhone」秋モデルにかかわる話題で盛り上がる。今年はマイナーチェンジの年にあたり、端末本体には現行モデルから大幅な変更はないとの予想が大勢を占めている。こうしたなかで携帯電話会社各社は、アップルが今年から始めた「マルチキャリア戦略」に神経をとがらせている。
■マルチキャリア対応の次期iPhoneが登場?
6月の開発者会議で次期iPhoneに搭載される新OS「iOS5」を紹介する米アップルの幹部=ロイター
アップル・ウォッチャーの間では最近、同社が購入した携帯電話基地局が話題になっている。この基地局は米携帯電話会社のスプリント・ネクステルが使っている方式のもの。スプリント向けのiPhoneが、いよいよ基地局試験の段階に入ったことを意味している。アップルは2月に発売したベライゾン・ワイヤレス向けiPhoneの開発の際にも、基地局を購入してテストを実施している。
この試験で使われている端末は、「マルチキャリア対応の(“iPhone 4S”とも“iPhone 5”とも呼ばれる)次期iPhoneではないか」との観測もある。アップルがAT&T、ベライゾン、スプリント、Tモバイル USAの携帯大手4社すべてに対応するマルチキャリア型iPhoneを開発しているという噂が以前からささやかれていたからだ。
スマートフォンのなかでもハイエンドに位置するiPhoneは、通常の買い取り価格が500ドルを超える。一般ユーザーが気軽に買える金額ではないため、長期契約と引き換えに携帯電話会社が端末代金を一部負担して“契約抱き合わせ”方式で販売する場合が多い。マルチキャリア対応のiPhoneはユーザーが携帯電話会社を変更できるようになる代わりに、買い取り方式になるだろう。
携帯電話会社の心配の種は、マルチキャリア型の登場により「機種乗り換え」ならぬ「携帯電話会社乗り換え」が促進されることだ。買い取り方式は端末価格が高くなるため多くのユーザーが選ぶとは思えないが、iPhoneで携帯電話会社を乗り換えられるのは画期的だ。
では、なぜアップルはマルチキャリア戦略に乗り出したのだろうか。
■携帯OS依存の緩和に進むAT&T
アップルがiPhoneの戦略を変更したのは、連邦通信委員会(FCC)からの圧力への対応とiPhone販売台数の維持という2つの狙いがあるからだ。
3年半続いたAT&TによるiPhoneの独占販売は、様々な面であつれきを呼んだ。グーグルが開発したインターネット電話「Google Voice」のiPhone用アプリでは、アップルが「App Store」での公開承認を渋ったことが取り沙汰された。スカイプ・テクノロジーズの無料ネット電話「Skype」のiPhone用アプリでは、AT&Tの携帯電話ビジネスに配慮して当初はWi-Fi接続だけに限定した。iPhoneを販売できない地方の小規模携帯電話会社は、「独占販売は不当競争にあたる」と不満を高めた。
FCCは2010年に「携帯電話業界の不当慣行を是正する」と宣言し、様々な調査や意見聴取を展開している。その矛先は主にAT&TによるiPhone独占販売に向けられた。これはAT&Tにもアップルにも大きな転機になった。
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